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総合職

[研究開発] リーダーシップを発揮しながら
未来へと開発を前進させる 事業本部 半導体材料開発部 開発課 2021年入社
大学院総合化学研究科総合化学専攻修了

この7~8年ほどは登山にハマっており、年間50日は山に出かけている。自転車でヒルクライムを楽しむことも。KDKに転職したのも、渋川工場が群馬の山々に近いというロケーションが大きな判断要因となったそうだ。

KDKの多様性に魅かれて。

KDKの一員となる前の約9年間、私は別の化学メーカーで半導体用材料の研究開発に取り組んでいました。仕事は面白かったものの、特定製品に偏った“一本足打法”だったことから、リスクヘッジという意味でも多彩な製品を有する同業他社に転じようと決意。KDKはさらなる成長が期待される半導体製品を軸に、まさに多彩な化学品を扱っている点に魅かれて入社を決めました。
入社後は開発途上の半導体向けフッ素系ガスに関して、その性能評価に携わっています。当社ではエッチング、成膜、クリーニングなど多彩な用途のガスを開発していますが、それらガスを顧客の所有する半導体製造装置で用いられるとき、発揮される性能を細かく評価するのが基本的な役割。さらに顧客からの依頼で、既に生産現場で活用中のガスを試験することもよくあります。私自身、前職では液体を扱っていたので、ガスに関しては知らないことの方が圧倒的に多かったのですが、聞けば快く回答してくれる人がそろっているおかげで少しずつ感覚をつかむことができました。

客先の環境を“予測”しながら評価を進める。

圧力や流量、電源の出力一つで、半導体用ガスの性能はガラリと異なってきます。それだけに装置のことは具体的に理解しておいた方がいいのですが、実は装置は顧客にとって機密事項の集合体ですので、詳しい製造プロセスは一切、教えてもらうことができません。論文や学会からの情報を集めたり、営業から上がってくる話から推察しながら、手探りで評価を進めなくてはならないのが、この仕事の最大の難所と言えます。
経験も浅いだけに手探りの中で仕事を進めてきた私ですが、ほどなくしてベテランの先輩が異動してしまい、4人のメンバーを率いるリーダー的な立場を担うことになりました。まさに悪戦苦闘しながらも、正確な指示を行うという姿勢だけは崩さなかったつもりです。誤解したまま評価をしてしまうと、1からやり直す事態を引き起こしかねませんし、そもそもフッ素系ガスは危険性が高いので細やかなコミュニケーションを通して積み重ねていくのが大事だと思っています。
試行錯誤しながら評価した結果により、確かな性能が発揮されているといったデータがはじき出されたときは非常に嬉しい思いに包まれます。もっとも開発中のガスが実用化されるのは5~10年先の話。自分の成果を身近な場面で実感するまでには、気を長くして待たななくてはなりません。

リーダー、そして技術者として、業界の課題に挑む。

リーダーという立場になってまだ時間も経っていないので、まずはマネジメント面に磨きをかけるのが当面の課題です。一方、一人の研究開発者としては、より多岐にわたる分野に挑戦したい気持ちもあります。実際、前職では探索に近い部分から、試作、拡大スケール移行の直前まで幅広く見てきた経験がありますので、当社でもさまざまな業務に対応できると思っています。
半導体業界では今、次々と新技術が登場しており、取引先の進歩が非常に速いと実感させられています。技術的な面白みもある世界に携わっていられるのは、この仕事のやりがいの一つ。例えば、昨今は環境への対応に関しても、半導体業界は最先端の取り組みが求められています。実は半導体向けのガスには地球温暖化を促進させるフロンガスに該当するものがあり、製造すればするほど環境負荷が大きくなるというジレンマに悩まされています。現在、地球温暖化係数(GWP)が低いガスの開発が至上命題となっており、私たちも環境対応という視点を持って日々の仕事に臨んできました。半導体にかかわる技術者の一人として環境負荷の大きいガスから小さいガスに変える部分にかかわることで、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考えています。

今の研究にとらわれないチャレンジを。

学生時代、私は有機化学を専攻していましたが、当時の研究内容は今の仕事に直接、生きてはいません。前職の経験に関しても、今につながっているのはごく一部。就職先を考えるにあたっては、研究してきた分野、前職での経験にとらわれることなく、果敢な姿勢で新しい物事に取り組んでいくのを意識しましょう。