
[研究開発-1]
前例のない分析技術を形にして
新製品づくりを支えていく
事業本部 半導体材料開発部 開発課 2019年入社
大学院生物・化学科修了
大学院まで吹奏楽部に所属し、アルトサックスを演奏。仲間と一緒に音楽を作り上げる時間に、何とも言い難い達成感を得ていた。思いのほかデスクワークが多い仕事なので、休日はエステのオイルマッサージでリフレッシュしている。
多様な人と関わりながら、品質保証の在り方を探る。
大学院では河川などの水中に含まれる有害物質を簡易的に分析する方法を模索していました。化学に興味があって進学したこともあり、就職活動では化学メーカーを志望。モノづくりの“川上”に位置し、若手にもチャンスが多そうな中堅企業を探してくと、半導体業界で世界的なシェアを有するKDKの存在を知りました。人事担当者も対応してくれた技術系社員も話がしやすい方ばかりで、このような人たちと一緒に働きたいと思ったのが入社の決め手となりました。
以来、半導体製造に欠かせない新規のガス製品に関して、品質保証上の分析方法の開発に挑んでいます。KDKでは時代を先取りするガスの開発に取り組んでいますが、素晴らしいガスが開発されたとしても、正確に品質保証できなければ製品として販売することはできません。そこで、私たちが製品検査の分析項目の決定、分析装置の仕様検討、分析条件の調整などを行うことで、その製品に合わせた品質保証の仕組みを形作っているというわけです。その中ではかかわる人が非常に多く、渋川・水島両工場の品質保証部、生産技術部、製造部や施設部などはもちろん、資材部、研究・知的財産部、法務・総務部などの社内の各部署との連携が不可欠なものとなっています。分析装置の力が欠かせない業務でもあるので、外部のメーカー担当者と打ち合わせを重ねるシーンも多くなっています。
手塩にかけた技術が巣立つ喜び。
KDKでは化学業界でもニッチな分野の材料開発を行っている関係上、前例がない分析方法を開発しなくてはならないケースが非常に多くなっています。そんな難しい業務でありながら、新人時代からしばらくの間、私一人だけで分析方法を開発していました。先輩のサポートは受けられたものの、前例のない技術を自分で判断しながら形にしていくのはまさに困難の連続でした。実験しても上手くいかないことの方が圧倒的に多いですから、複数のパターンを想定しながら、どんな事態にも対応できるように創意工夫を重ねたつもりです。
そうした努力の結果、3年目を迎えるあたりには知識も定着し、自信をもって仕事に取り組めるようになりました。分析装置は大学院の研究室でも馴染みがあったとはいえ、機械的な知識は乏しかったのですが、経験を重ねることである程度の機械的なトラブルは自力で解決できるようにもなりました。できることは増えている反面、製品として販売できるまでは時間がかかるだけに、私が入社以来、最後まで携わった製品は2種類だけ。だからこそ、ようやく製品化までこぎつけて正式に製造工程に進んでいく様子を見ると、自分が手塩にかけて育てた技術が“巣立っていく”との感慨深い気持ちに包まれます。
広く会社を見渡せる存在に成長したい。
現在は分析開発チームのリーダーとして、2人の後輩をまとめながら開発中の複数テーマの分析開発状況の管理に携わっています。後輩たちにはある程度、仕事を任せるようにしており、相談を持ち掛けられたときには“ヒント”を提供して、自力で解決できるように背中を押すようにしています。私自身、一人で担当していた時期は長かったですが、任されることで責任感と主体性が生まれましたから、後輩たちにも同じように頑張ってほしいと思っています。
現在は誰も経験のなかった分析手法の開発に携わっていますが、毎日、少しずつ前向きなデータが出てきて、開発が一歩ずつ前に進んでいるのがモチベーションにつながっています。一方で、長く分析開発業務を専門にしてきただけに、これからの自分のキャリアを考えていくと、視野を広げてさまざまな仕事に挑戦してみたいとの気持ちも抱いています。会社の方針に影響を与えるような役割も担ってみたいですし、開発の別工程や営業なども経験するなどして、広く会社全体を見渡せる存在を目指していきます。

KDKは大きな会社ではないからこそ、社員一人ひとりの働きが重要な意味を持ちますので、主体的に行動する姿勢が問われます。とはいえ、一人でできることにはどうしても限界が生じるものですから周囲と協力しながら解決策を実行する力を兼ね備えていると、ステップアップできるチャンスが広がることでしょう。現在は女性の同僚と同じチームで働いておりますが、共に周囲とは異なる意見やアイデアを積極的に発信し、周りからも重宝されています。KDKにはそれが出来る環境が広がっているので、皆さんも一緒に働く際には、周囲に迎合するばかりではなく、自分に自信をもって積極的に発信をしてほしいと思っています。