SUSTAINABILITY汚染物質の排出削減と資源の有効利用
当社は多様な化学物質を扱っていますが、環境リスクを低減するため管理を徹底しています。
また3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進し、廃棄物の削減と資源の有効利用を推進しています。
産業廃棄物最終処分量の削減
2018年度以降は発生する廃棄物のリサイクルを推進することにより、産業廃棄物最終処分量を削減してまいりました。2023年度は生産量の減少に伴い産業廃棄物が減少したことに加え、産業廃棄物のリサイクル率を工場させ2021年度比60.1%削減することができました。
今後は廃棄物からの資源回収についても具体策を検討し、設備化を図り、廃棄物そのものの削減に取り組んでまいります。
第9次RC行動目標
- 〔目標〕リサイクル率向上により、産業廃棄物最終処分量を2021年度比9%削減(1年毎に3%削減)
- 〔実績〕2023年度は2021年度比60.1%削減。
産業廃棄物処理量

PRTR対象物質の排出量削減
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)により、事業者が、対象化学物質を排出・移動した際には、その量を把握し、国に届け出る義務(PRTR制度)がありますが、当社では日化協方式※により、取扱う化学物質を管理しています。2023年度、当社が扱ったPRTR対象物質は30物質で、塩素系溶剤の減産により取扱量は16.6万tと2021年度比で33.3%減少し、環境への排出量は9.1tと40.7%減少しました。排出原単位は取扱量1t当たり55gでした。
※日化協方式では法律に基づくPRTR対象物質より多くの物質を対象としており、より厳しい管理が必要となります。
第9次RC行動目標
- 〔目標〕日化協のPRTR指定化学物質の排出量を2021年度比3%削減(1年ごとに1%削減)
- 〔実績〕2023年度は2021年度比40.7%削減
PRTR対象物質の排出量


大気汚染物質の排出量削減
大気汚染の原因となるSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、ばいじんに関しては、燃料転換や除害設備を安定して稼働させることで排出量の削減に努めています。今後もこれらの環境汚染物質については、低排出量を維持できるように設備管理、運転管理を充実させていきます。
大気汚染物質の排出量

〔大気汚染物質の排出量〕
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
SOx | 0.41 | 0.28 | 0.25 |
NOx | 7.11 | 8.21 | 6.43 |
ばいじん | 0.58 | 0.53 | 0.48 |
水質汚濁物質の排出量削減
当社では環境負荷をかけないよう、環境法令に定められている基準より厳格な社内基準で徹底した排水管理を行っています。
〔排水中の汚濁物質量〕
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|
COD | 22.57 | 23.73 | 21.08 |
全窒素 | 22.49 | 23.76 | 12.39 |
全りん | 0.92 | 0.92 | 0.83 |
資源の有効利用の取り組み
当社は、住友金属鉱山株式会社(以下、「住友金属鉱山」)との共同開発により、使用済みのリチウムイオン二次電池(以下、「LIB」)から、リチウム化合物を高純度で再資源化し、電池材料へと水平リサイクルする技術を世界で初めて確立しました。
【使用済みLIBから高純度リチウム化合物を再資源化するプロセス】


当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの研究開発項目の一つである「蓄電池のリサイクル関連技術開発」に対して、住友金属鉱山とともに「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」(以下、「本事業」)を提案し、採択されました。グリーンイノベーション基金事業は、2050 年カーボンニュートラルの実現に向け、経済産業省がNEDO に2兆円の基金を造成し、野心的な目標にコミットする企業等に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する事業です。「次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトは、蓄電池・モーターについて、高性能化、省資源化、リサイクル等に関する研究開発を行い、自動車分野における脱炭素化と産業競争力強化の実現を目指すものです。本事業では、住友金属鉱山の非鉄金属製錬技術ならびに当社のリチウム回収技術を用いて、使用済みのリチウムイオン電池等の二次電池から銅、ニッケル、コバルト、リチウムを回収し、水平リサイクルする事業の創出・拡大を目指します。当社は、本事業の実現を通じ、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。