ページの先頭です。

本文へ移動する。

[生産技術] 化学プラントを作り、支えることで、
KDKのさらなる発展に寄与する。 水島工場 生産技術部 2012年入社
大学院先端技術科学教育部環境創生工学専攻
化学機能創生コース修了

大学院では「マイクロリアクター」という反応を専門に研究していた。小3から野球に熱中。大学時代は軟式野球のピッチャーを務めていたことから、会社の野球部でも大活躍している。会社の先輩とスノーボードに行くことも多いそうだ。2016年春に結婚してお子さんが生まれたばかり。

現場を知ることで、最適なプラントは生まれる。

大学院で私が専攻してきたのは化学プラントの設計開発にかかわる化学工学でした。就活では化学メーカーを中心に自社でプラントの技術設計を手掛ける会社を探していましたが、関東電化工業に関しては、フッ素関連の製造で独自性の高いプラント構築技術を有していることに興味を持ちました。よく話を聞くと、苛性ソーダ、塩酸、電池材料、プリンタキャリアなど多岐にわたる化学品を製造していることを知り、様々な形態の化学プラントに携わることが出来ると感じた点が入社の決め手となりました。
所属する生産技術部はまさに私の目指したプラント設計と開発を手掛ける部署であり、既存設備の改良改善、新規設備導入のための技術開発に携わっています。入社した頃は各種設備の小さな改善から取り組みましたが、化学工学を学んできたとはいえ、実際にプラントを前にすると何をすればいいのかがわからないケースの方が多かったですね。
例えば、気液接触による反応塔で反応率を向上するといったテーマを与えられたとき、まったく計算通りの結果が得られず悪戦苦闘しました。机上で計算を繰り返しても何も問題は解決しないからと、製造の現場に足を運び、何が原因なのかをとことん話し合ったり、自分の目でデータ収集していくことで、問題解決の糸口が見えていくようになりました。行動する大切さ、話し合いをする大切さを学びましたね。

新規設備の開発も担当。安全面には徹底的にこだわる。

経験を積んでからは次第に新規設備や増産増設の対応などにも関わっていくようになります。ちょうど私が入社した以後、電池材料のプラント開設が多くなり、部署内も慌ただしくなっていきました。
新しい設備を作る場合、開発室が作ったラボスケールでの手法を、製造ラインレベルにスケールアップしていくところから始まります。まずはラボでパイロットプラントを作り、自分たちの手でデータを取るところからスタート。徹底的に安全性を掘り下げるべく、危険な反応や温度、圧力、材質、機械の変化などを徹底的に洗い出していきます。欠点がそのまま実機に反映されてしまっては、巨大な危険設備が作られてしまうことになるので、安全の確保には特に神経を使っています。
設計段階に入った後は、化学と工学の両方を知る専門家の視点から、最終的に設計をまとめ上げる機械系の社員に対して設計情報を伝えていくことになります。適切な反応のサイズ、熱交換器の能力、蒸留塔の高さ。各種パイプの太さ・長さなど、考慮すべき点は山積みです。実際にプラントを建てた後も試運転も行いますし、稼働後も頻繁に製造部門や品質管理部門と調整していきます。プラントが生まれ、稼働するところまでのすべてに私たちは関わっているのです。

問題解決のために、様々な職種の人たちが力を合わせる。

印象に残っているのは、既存の生産能力の数倍の生産量に増強するという大掛かりな案件を担当したとき。今までの設備仕様では対応できず、新発想での開発が求められました。問題解決のために技術開発担当の私たちのみならず、研究者から製造オペレーター、製造技術スタッフに至るまで、異なる立場の人間が意見を突き合わせながら、一体となって新しい道を模索し続けていきました。苦労が多かっただけに新しい設備が何とか立ち上がったときの喜びは格別のものがありました。無事に目指す化学品が生産され、出荷されていく様子を見たときは感慨深かったですね。
水島工場では管理職を含めて10名前後しか生産技術部には所属していないだけに、若手の私もこうした工場の転機となるような大きな仕事に携わるチャンスを得ることができます。プレッシャーや不安はありますが、その分、スピーディに成長できるのが醍醐味となっています。
私自身、これからも多くのプラントに関わっていくことになるでしょう。生産性や収益性の高い設備を作るのはもちろん、何よりも安全第一で関東電化を長く支えられるプラントを送り出せるように努力を重ねたいと思っています。

新しい知識を貪欲に獲得する姿勢を貫いて。

関東電化工業の生産技術はプラント構築のすべてにかかわることができるだけに、化学工学を学んだ人にとっては、持てる知識をフル活用できる場が広がっています。ただし、学校で学んだことと実際のプラントでは、大きな差があるのも事実。自分の中にある常識などに固執せず、社内外の多くの人の声に耳を傾けながら、真摯な姿勢で新しい物事を吸収できる人ならば、大きく成長を遂げられると思っています。