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[研究開発] 新技術を形にするために
ラボと生産現場を橋渡し 総合開発センター 水島開発室 2011年入社
物質創成先端科学研究科修了

中学から大学までは陸上競技の長距離走のランナーとして活躍していた。今は岡山の社会人チームに所属。マラソンや駅伝で汗を流している。フルマラソンのタイムは2時間40分台。自転車も始めたので、苦手な水泳を克服したらトライアスロンにも挑戦したいという。

リチウムイオン二次電池に興味を持って当社を選ぶ

大学・大学院と化学を専攻してきた私は、就職活動では化学を活かしたモノ作りができるメーカーを志望していました。数ある化学メーカーの中でも当社を選んだのは、リチウムイオン二次電池という次世代技術にチャレンジしていたこと、お会いする社員のみなさんの誠実さに働きやすい雰囲気を感じ取ったことが大きな決め手となりました。
以来、現在に至るまで、岡山県にある水島開発室に所属して、リチウムイオン二次電池の電解液の性質を変化させる添加剤の研究に携わっています。開発チームの一員ですので、製造に近い場面での仕事が多くなっており、新しい添加剤を製造するためのプロセスを設計したり、ラボスケールの技術を製造ラインに落とし込んだりといった部分に深くかかわってきました。

ラボと実機のスケールの違いに悪戦苦闘

入社当初は先輩の指導のもと、設計や評価などに携わっていましたが、2年目になる頃にはようやく一人で担当を持つようになり、合成から評価まで条件的に難しい化合物を任せられたりしました。自分自身、さらなるステップアップをしなくてはならないと気を引き締めていったつもりですが、さすがに最初は失敗ばかり。それでも先輩がしっかりと見守ってくださったおかげで、なんとか1つずつハードルをクリアしていきました。
仕事の中で毎回のように壁となったのは、ラボと実機のスケールの違いです。同じ反応式であったとしても、スケールが上がると不純物の量や反応の安定性が変化してしまい、ラボレベルの品質の化合物が合成できなくなってしまいます。問題の解決には、少しずつスケールをアップさせながら、一つひとつを丁寧に確認していくほかありません。簡単なことではありませんが、年次を経るごとに自分の力で問題点を解決できるようになり、成長する自分を感じ取っていました。

自分で作ったモノが出荷される瞬間は、涙が出るほどうれしい

転機が訪れたのは4年目のこと。新しい添加剤の検討から開発現場への移管までのすべての流れを、私中心で見ていくことになりました。およそ1年の年月をかけて、小スケールから実機に持っていったのですが、途中でうまくいかないことも何度も発生しました。そのたびに心がけていたのは、一人で悩まないということ。上司や先輩以外にも製造部門などの他部署のみなさんに積極的に意見を伺って、コミュニケーションを重ねて問題を解決するように努めてきました。
苦労に苦労を重ねただけに、開発した液体が配管を流れ出てきたとき、そして、トラックに乗せられて出荷されていく様子を見たときは涙が出そうになりました。ラボで小さな量で作っていたモノが、数百キロの規模となって出荷されていくのですから、開発というこの仕事は本当に醍醐味にあふれています。
今後もしばらくはこの水島で開発していくことになるでしょうが、私たちの部署から当社の次なる柱となる製品を作り出すくらいの研究開発をすることで、もっとダイナミックなモノ作りの醍醐味を味わいたいと思っています。

上を目指して、挑戦し続けたい。

入社以来、濃密な時間を過ごさせてもらっていますが、自分自身、経験がまだまだ不足していると痛感させられています。これまでトライしなかった仕事にも積極的に挑戦することで、今以上に自分を高めていきたいですね。少数精鋭の当社では若手も早くから大きな仕事をするチャンスをつかむことができます。当社の仕事はチームで進んでいく以上、自分の考えをしっかりと持って、周囲に伝えていく力に長けた人なら成長も早いと思います。