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大学院でリチウムイオン電池材料の研究を行なっていたこともあり、リチウムイオン電池の電解質を扱う関東電化工業に入社し、一貫して電池材料の研究開発を担当させてもらってきました。最初に配属になった新材料研究所での後半は電極材料、現在は、水島研究所で電解質や添加物をテーマにしています。リチウムイオン電池は、携帯電話やPCのバッテリーとして主に使用されている二次電池で、エネルギー密度が高く、繰り返しの充放電に強いのが特長です。私の研究開発テーマは、その電解質と、電池の特性向上に寄与する添加物。文献などを調査しつつ、実験室で化合物を合成し、工場での拡大試作に向けた取り組みを行なっています。
残念ながら、どんな化合物を試しているかは企業機密なので(笑)、ここでは言えませんが、「対象は非常に幅広い」とだけ申し上げておきます。さまざまな組み合わせを検証し、電池特性評価を行ないます。ほとんど1日ラボに入っており、学生時代の経験を活かしながら、当時と同じような研究に没頭できることは幸せです。
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ただ、大学と違い、企業の研究開発は実用化を目指すのが前提で、単に優れた製品を作ればいいというわけではなく、当然、利益やコスト、生産性も考慮しなければなりません。ラボスケールから生産ラインに移行する際には、工場の人たちの協力が不可欠で、積極的に意見を交わすように心がけています。上司との距離も近く、率直な意見交換ができる環境だと思います。よく仲間たちと飲みにも行きますよ。技術的な論議からくだらない話まで、多いに語り合います。駅前にアパートを借りているのですが、深酒したときは近くにある寮でバタン(笑)。倉敷市はのどかで、しかも生活に必要なものは大抵揃っている住みやすい街です。
苦労して開発物質の合成に成功したときや、問題点を解明・改良できたときの達成感は、何ものにも代えがたいものがあります。予想外の反応、不純物の除去、スケール確保やコストの問題など、大小たくさんの壁にぶち当たりますが、その壁を乗り越えたときほど喜びも大きい。リチウムイオン電池は、今後ハイブリット車用途など新たな展望が開けている期待のエネルギーデバイスです。そのぶん、我々に対しても品質・安全性の向上やコスト削減などさらなる要求が課せられるでしょう。そうした厳しい条件をクリアし、リチウムイオン電池の登場が携帯電話を画期的に進歩させたように、いつか私も人々の暮らしを変えるような製品を開発したいです。
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