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[施設(エンジニアリング)] 電気計装のあらゆる問題を解決し
水島工場の安定稼働を支える 水島工場 施設部 2001年入社
高専電気工学科卒

岡山県出身。子どもの頃から社会科見学というと水島コンビナートに訪れていたこともあって、水島工場はなじみ深い場所だったという。入社後5年間はイレギュラーながら渋川工場で勤務していた。趣味はジョギング。月に100㎞は走るという。野球部の一員としても活躍中。

工場内の動脈たる“電気”“計装”の専門家として

岡山県にある水島工場の施設部では、「機械」と「電気」という2つの側面から工場全体の装置のメンテナンス、新規増設・改造工事などの計画などに取り組んでいます。私は電気の担当として受電設備のメンテナンス、電力の契約業務にも携わっています。また計装工事担当でもありますので、工場内に設置されている圧力計・液面計・温度計・調節弁といった計器類の点検等にも深く携わっています。
水島工場の得意分野には、当社が古くから主力製品として掲げる「か性ソーダ」があります。その製造には「電気分解」を用いるため、当然、大量の電気を消費することとなります。安定的かつコスト的に見合う電気の供給が私たちの至上命題となっており、その実現のためには深い電気の知識が必要不可欠。私自身、電気系の勉強をしてきたとはいえ、入社後5年間は別工場の現場オペレータとして生産業務を経験しており、2006年の異動当初は実際の作業に関する知識が乏しく悪戦苦闘しました。ただ、先輩方の大きな手助けがあり、また現場担当者の方にも助けられ、濃い経験を積むことでなんとか問題を乗り越えていくことができましたが、それ以上に大きな壁として私の前に立ちはだかったのは水島工場の長い歴史でした。

マニュアルが存在しない機器の修理に挑む

水島工場が開所したのは今から約50年前のこと。以降、次々と設備を更新していますが、工場の一部では古い施設をそのまま使っているところも残っています。例えば計器類が壊れたと聞いて修理をしに現場に向かうと、まったく見たことがないような古い計器が据え付けられており、これをどうやって直せばいいのかわからずに途方に暮れたこともありました。
そんな時は、大ベテランの先輩に教えていただいたり、メンテナンスの実務でお世話になっている協力会社のツテを辿って古い計器を知る人を探したり、なんとか解決法を探ろうと努力をしてきました。また、原理さえ分かっていれば、なんとかなることもありますので、過去の取扱説明書などを参照しながら様々な可能性を模索しました。未知の問題に立ち向かっているからこそ、無事に直ったときの達成感はひとしおでした。
この仕事で難しいのは、電気という存在が非常に正直である点に尽きます。電気系統にしろ、計器類にしろ、ほんの小さな1か所が故障しているだけで、すべてが全く動かなくなってしまいます。原因を特定するのにはいつも骨が折れますが、製造工程の方たちが本当に困っている中で作業をするので気が引き締まります。ある意味では緊急事態に呼ばれるので、警察官や消防士に似ている仕事なのかもしれません。

経験則で各自が持つノウハウを手順書としてまとめたい

電気計装担当の場合、新規設備を作る場合は計画段階からプロジェクトに参加することが可能。開発や機械などの要望をもとにしつつ、電気機器・計器類の選定や配置に関しては私が責任を持って考えていくケースもあります。最近の水島工場は電池関係が好調で、新設や増設の案件が続々と舞い込んできています。自分で考えた施設がどんどん出来上がっていく様は感慨深いものがあります。
電池関係の設備投資の甲斐あって、水島工場は近年、黒字へと転換しました。これからも水島工場の勢いは続いていくでしょうが、電気計装の専門家の立場から私もその発展を支えていくためにも、まずは身近な仕事を改革したいと思っています。現状はスタッフ各自が経験をもとに作業をしている面があるのですが、それを手順書としてまとめて全員で共有することができれば、おのずと仕事の質が高まり、工場全体の発展に貢献できるのではないでしょうか。
メンテナンスなどはどうしてもイレギュラー対応が多く、すべてを手順化するわけにもいきません。しかし、基本となる部分だけでも共通点を見出せば仕事がしやすくなり、これから配属される新人にとってもプラスになるはず。電気計装は経験が重要な仕事であり、一人前になるまでは10年の時間を要すると言われています。より若手たちが活躍できる環境づくりが使命だと肝に銘じて、これからも頑張っていきたいですね。

人と人とのかかわりがこの仕事には欠かせない。

施設部員は工場内外の多くの人々とかかわり合いながら仕事を進めていくことになります。特に新しい知識は、じっとしていても入ってきません。もちろん、自分から分からないことを聞いたり、メーカーの人と話をするときは、こちらも受け答えできる知識が必要になります。技術があるだけではなく、いつでも話しかけてもらえるような元気さと謙虚さを兼ね備えている人にこそ、活躍の場が広がると思っています。